インド舞踊というものを初めて見る事が出来、感激した。しかし、全くインド舞踊を知らないというわけでは無く、以前不二子不二雄先生の書かれた短編集の中にそれが載っていた事を思い出した。
 正確には「インド舞踊の人形」の話なのだが、どうも踊るというよりも、揺れると言う感があるらしかった。実際観た時も踊る動作に加え、やはり揺れる動作が多々あるように感じた。
「有機質」というより「無機質」、「動く」というより「動かされる」ということが先生から感じとれた。まさに「神への祈り」渡言う感じ、信じるべき物があり、初めて手に入れる事のできる力のような印象を受けた。
(元々舞踊というのはそういう要素があるかもしれないが)ついつい特別視してしまった自分にちょっと反省したく思えた。しかし、これを踊るにはよっぽどの覚悟が無いと無理かなあと今だに思い込んでいます。
音楽にも合わせ、時には激しく時には静かにという感じであったにも関わらず、「無機質」とか言っている僕はどうも矛盾しているように思います。先生に失礼かな?(笑い)。  N君




 オリッシィは、私がイメージしてきた『踊り』とは何か異質なものに思えた。音楽に合わせて身体を動かすという定義では、オリッシィも確かに踊りだ。では何に違和感を感じてしまうのだろう?私にとって踊りはバレエやミュージカルのような舞台芸術であって”見せる”事が前提になっている。後はパラパラや社交ダンスのように楽しみの為のものが思い浮かぶ。
 そういった、自分をアピールする、自分が楽しむ為の踊りと違ってオリッシィには私を見てという感じがあまりせずに“我を無くす”というような印象があった。床、大地を踏みしめるリズムにこちらの呼吸を合わせていくと、人としての踊り手が見えなくなってくるから不思議だ。オリッシィはヒンドゥー教の影響を受けているという話しがあったけど、そうするとこの踊りは『神との対話』なのかもしれない。
音楽も踊りも非言語的なものだ。踊り手が踊り手自身の理性のしばりをゆるめて、身体を解放していくにつれ、踊り手のエネルギーは見る側のそれと呼応する。
 なんだか催眠術めいてきたけど、宗教儀式のある種の感覚的陶酔は、表面的な意識から解き放たれることに始まるのだと思う。『踊り』には自分の内側をさらし、他の人間それとも宇宙と溶け合う作用があるのかもしれない。
 プログラムが終わった時、なぜか個々の演目や動きの事は憶えていなくて、泳いだ後のようなけだるさが残った。  Kさん




 なんだかとても“地”を感じる踊りだった。下から湧き上がるもの、そして、地面にまるで引き寄せられるような両足。なんだろう?生身というか体重を感じる踊り。重そうというのでは無い。ズシッとしている。魂に直接響く感じ。人間を感じさせるものだった。決して激しい動きではないが、静の情熱といったものがそこにある様に思えた。これが同じ踊りでもバレエとは大きく異なると思う。バレエはなるべく体重を感じさせない様に気をつける。妖精役なんてなおさらだ。音もたてないように空気のように軽やかに、重心が上にある感じだ。上からつられているような。オリッシィはその逆、地球の引力に正直に足の裏全体を使って踏みしめる感じだ。ズズズン、ズズズンと体の内側から出されるエネルギー。そこに激しさだけでは無く美しさも見る事ができる。日本の能に少し似ている。静かな動き。グッと内側に秘める情熱。見ている側の心にじわじわと訴える何かがそこにある。文字で表すのは正直とても難しい。踊りのすばらしさはそこにあると思う。人間はなぜ踊るのだろう?愛の踊り。悲しみの踊り。祈りの踊り。国が違えば踊りも違う。東洋と西洋でも違う。でも人は皆踊りというものを知っている。不思議だ。今日オリッシィを見て踊りの魅力、そして東洋の持つ独特の神秘、静の情熱というものに改めて魅せられた。  Mさん



『情熱』ミーナさんが登場した直後、その言葉を肌で感じる事になる。それはもちろんあのきらびやかな衣装のせいだけではない。1つ1つのステップの音や、しなる身体、細かな動きに、ダイナミックな動き・・・。そこから匂いつ“気”。そう、一番の見所は彼女の気迫であった。オリッシィの世界に没頭する様と、それを演じるというか表現する彼女の姿に、私は何か、胸を突かれるような思いをしたのだった。言葉というものが人の心を表現する最善の方法だとは私はあまり思わない。1年の最初の特別講義は、八知先生だった。『思った事の断片』というタイトルのプリントに沿って進められたお話の中で、ある外国人女性の無言の姿に感銘を受けた、という部分があった。
 いかにも素晴らしいような人生論を喋りまくる人がいたとしても、どこか薄っぺらで何も感じない事が多い。逆に、たった一言でも印象深いことを言える人や、何も言わずとも、強い存在感を放ち、人に感銘を与える人はいるものだ。私は素のミーナさんを知らないが、オリッシィを舞うミーナさんは、強い気を放っていた。そこには、情熱と孤独とがあった。  Kさん




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